メタルワンの現場へ線材特殊鋼・ステンレス本部
逆境を乗り越え、
常に前進し続ける

INTERVIEW 08

井上 太智線材特殊鋼・ステンレス本部
特殊鋼事業部 特殊鋼課
2007年入社
英米文学部 英米文学科卒

SCENE 01ヨット部の逗子の海岸から世界へ
異なる文化の中で自身の器を大きくする

大学時代はヨット部に所属し、年間170日以上を合宿所で生活するなど、部活動にのめり込んだ。一方で、身も心も大学キャンパスから離れた生活に危機感を抱き、好きであった英語の勉強にも精力的に取り組んだ。英語学習の成果の一つとして、奨学金留学制度の選抜試験に合格し、豪州への留学も経験した。
「この留学経験は進路を考える上で大きな転機になりました。海外の人々と触れ合うことで世界には異なる文化や生活習慣、多様な価値観があることを身をもって知ることができました。想定外の意見を聞き、その背景を確認したり、逆に自分の意見の背景を求められたりする中で少しずつ自分の器が大きくなっていくことを実感しました」
世界へと目を向けるようになった井上は、就職活動においても、自分の器を大きくできるようなグローバルなビジネスフィールドを有する企業を志した。その中でも、仕入れから販売まで商流の大部分を一手に担う商社なら、多岐にわたる経験ができると考えた。また、祖父が町工場を営んでいたこともあり、母材の仕入れや工場の設備を幼い頃から見ていた為、鉄鋼という商材にも馴染みがあった。
「メタルワンは鉄鋼業界最大手の商社で、スポーツにおける日本代表のようなものだと思いました。鉄鋼のフィールドでプレーするのであれば、迷わず日本代表選抜チームに入団すべきだと考え、この会社への入社を決めました。また、入社時は会社の創成期であったこともあり、自分たちで会社の文化、カラーを作っていけるということも魅力の一つでした」

SCENE 02イタリア製高級車に
日本製ステンレスを提案

入社後に配属されたのはステンレス部 海外・チタン課であった。井上が入社した翌年、国際的金融危機の引き金となったリーマンショックが勃発し、世界経済を黒い影が覆った。井上が扱っていたステンレスの需要も冷え込み、この苦境を突破する為に井上が着目したのが、富裕層の購買動向であった。市場動向を分析した結果、ステンレス材が使用される海外の高級車は、リーマンショック後も右肩上がりで売上げを伸ばしており、富裕層は景気の波に左右されず、旺盛な購買意欲を有しているという仮説が立った。井上は、イタリア製高級車に日本製ステンレス材の採用を働きかける為、すぐにイタリアに飛んだ。交渉相手のステンレス卸売業者とのヒアリングを重ねる中で、ある課題をキャッチした。
「その卸売業者の取引先の自動車メーカーは、欧州の鉄鋼メーカー製のステンレスを採用していました。しかし、運搬等の際に表面が傷付くなど、表面仕上げの品質に問題を抱えていたのです。その課題解決の為に、ステンレスの表面にビニールシートを貼ることや、輸送船賃を抑える工夫をするなど、卸売業者のニーズに応える提案をした結果、安定的に日本製ステンレスを出荷する商談を成立させることができました」
井上は卸売業者の担当者が満面の笑みを浮かべた様子が今でも忘れられないという。お客様の喜び、笑顔こそが井上のやりがいであり、次に向かう原動力だ。

SCENE 037,000トンの線材が出荷不可に
緊急事態にどう対処するか

着実に商社パーソンとしての実績を積み上げていた井上であったが、ある問題で苦境に立たされる。その案件は、中南米のお客様に7,000トンの線材を販売するというものであった。中国を出航した貨物船が日本に寄港し、船内の一部スペースに線材を船積みし、中南米に輸送する予定であった。
「船会社とのメールや電話でのやり取りの中では、順調に進んでいたように思えた案件でした。しかし、実際に港に寄港した貨物船は、中国からの積み荷が危険な状態にあり、安全に出荷作業ができないと判断されたのです。この緊急事態を回避すべく、あらゆる可能性を模索し、関係者に連絡・相談しましたが、この貨物船を使用して7,000トン全てを出荷することは不可能という結果となりました」
結果として、一部の線材をこの貨物船を用いて出荷し、残りを傭船で運搬し、納期を満たすことができたが、緊急傭船代等、少なくない損失を被ることになった。想定外の事態であり、全てが井上の非とは言えないものの、担当者である井上の責任は大きかった。
「この失敗を突き詰めると、事前のコミュニケーション不足や準備不足が原因でした。業務は極力効率化する必要がありますが、誤った効率化はコミュニケーションや準備不足に繋がります。そのバランスを見極める大切さを学びました」

SCENE 04向かい風でもヨットは進むように
如何なる逆境でもビジネスを前に進める

現在、井上は自動車用のバネ製品メーカーへの素材供給、溶接材メーカーへの素材供給や溶接材自体の製品拡販などに取り組んでいる。一方で社内の組織作り、そして人材育成にも取り組み始めた。
「私も今年で入社11年目です。中堅社員の域に達し、近い将来管理職へのアサインも想定される年次に差し掛かりました。自分が管理職になった時に、部下やメンバーと共に、個々人が闊達に意見を言い合えるようなチームを作っていくことを当面の目標としています。商社は人が財産です。如何に人を育て、人を大切にできるか、それを追求していくことも自分の使命だと考えています」
井上は、自身が大学時代に取り組んだヨットとビジネスは似ていると話す。
「多くの人は、ヨットというのは追い風の場合しか前進せず、向かい風では進まないと考えていると思いますが、実際は違います。追い風同様に、向かい風でも操縦の方法次第でヨットは前進します。逆境の中でも前に進むのがヨットであり、これはビジネスにも当てはまるものだと思っています」
井上のメタルワンでの11年間は嬉しいことばかりではなかった。辛いときも厳しい局面も沢山あった。如何なる逆境も乗り越え、常に前進すること、それが井上の変わらない志である。

SCHEDULE

8:45 出社。コーヒーを飲みながらチョコレートを食べるのが日課。
9:00 メールの確認をし、To Doの優先順位を付ける。
9:30 北中米の駐在員と電話会議。
11:00 お客様と電話で打ち合わせ。
12:00 外出がない時は持参した弁当でランチ。
13:00 鉄鋼メーカーを訪問し、情報収集、価格交渉を行う。
15:00 自動車用のバネメーカーを訪問し、ニーズのヒアリングを行う。
17:00 帰社。見積もり回答、資料作成。書類確認。
18:00 オセアニアの駐在員と電話会議の後、北中米へのメール返信。
19:00 退社。週2~3回はメンバーや同僚と飲み会。

PROFILE

大学時代はヨット部、高校時代は自転車競技部に所属していた。自転車競技部では部長を務めていた経験もあり、現在でも、社内の仲間と「鈴鹿7時間耐久レース」を走破したり、休日に子どもと一緒に探検に出たりと趣味として自転車を存分に楽しんでいる。仕事におけるポリシーは「常に正直でいること」を掲げている。

MESSAGE

メタルワンには人の器を大きくするインフラが整っていると思います。自分で物事を決めて新しいことに挑戦しようとした時、当社には世界各地に展開する海外拠点やグループ会社を通じたネットワーク、蓄積された知見やノウハウがあり、それらを最大限活用し、目的達成の為に集中できる環境があります。世界を舞台に本気でビジネスに挑戦させてもらえる環境が、人の成長を促し、人としての器を大きくしていくと感じています。

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